幸福の胡蝶蘭屋さん

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胡蝶蘭の植え替えをする時期・タイミング

美しい花を咲かせる胡蝶蘭は、お祝いの品として贈ったり、いただいたりすることが多いですよね。
いただいた胡蝶蘭が鉢植えだった場合、適切なお手入れをしてあげることで、長ければ50年以上もの間楽しめるんです。
では、適切なお手入れとはどういったことをするのでしょうか?
ここでは、胡蝶蘭の植え替え方法についてわかりやすく解説していきます。
豪華な見た目である一方で、管理が難しそうだと感じる方も多いかもしれません。
ですが、胡蝶蘭を育てるのは初心者だという方でも大丈夫です。
しっかりとポイントを押さえておけば、自宅でも簡単にお手入れできますよ。
最初に、胡蝶蘭の植え替えをするタイミングや時期について見ていきましょう。

胡蝶蘭の植え替えをするのはどんな時?

胡蝶蘭を植え替えるタイミングは、根腐れを起こしたり、3年以上植え替えをしていなかったりする場合です。
根腐れを起こしているものは、すぐにでも植え替えをする必要があります。
そのまま放っておいてしまうと、枯れてしまう原因になるからです。
3年以上植え替えをしていないものは、植え込み資材が劣化している可能性が高いので、新しい資材に交換しなければなりません。
胡蝶蘭の植え替えが必要である理由は、育てている環境がだんだん悪くなってしまうからです。
育てている環境が悪くなっていくと、胡蝶蘭の健康状態にも悪影響が出てしまいます。
胡蝶蘭を健康に育てるためにも、植え替えが必要になってくるのです。
ただし、植え替え作業を頻繁に行うと、そのたびに根が傷ついて、胡蝶蘭の体力が落ちてしまいます。
体力が落ちてしまうと、花を咲かせる体力もなくなってしまいます。
そのため、植え替えは必要な場合のみするようにしましょう。

胡蝶蘭の植え替えに適した時期

胡蝶蘭の植え替えは、花が咲き終わった4月~6月頃に行うのがベストです。
ただし、根腐れを起こしている場合は、どの時期であってもできるだけすぐに植え替えましょう。
根腐れによる植え替えを行った場合は、根に負担をかけないような暖かい環境で、水やりの頻度に注意して管理してあげましょう。
植え替えを行うと、一時的にですが生育が止まってしまいます。
そのため、大きく育つ7月~9月頃には植え替えを終えておきたいですね。
新芽や新しい根が伸び始める、花が咲く前や、咲き終わっていない状態で植え替えてしまうと、環境の変化で花が咲かなくなる可能性があります。
必ず花が咲き終わった胡蝶蘭の株に対して植え替え作業を行いましょう。

胡蝶蘭の植え替えに必要なもの・材料

胡蝶蘭の植え替えに必要なものや材料について見ていきましょう。
胡蝶蘭は、花の終わった株を用意します。
植え込み資材は水苔もしくはバークが一般的で、土は必要ありません。
胡蝶蘭は着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)といって、土壌ではなく、樹木や岩盤に根を張って成長する植物の一種です。
そのため、根に触れる用土の選定はかなり重要になってきます。
水苔とバークの違いについては「用土を選ぶ」の項目で詳しく紹介します。
植え替えのための新しい鉢も必要です。
「新しい鉢の選び方」の項目で詳しく触れますが、選択した植え込み資材によって、用意する鉢の種類が異なります。
株分けする場合、鉢は1株につき1鉢ずつ用意しましょう。
また、花芽を切るためのハサミも必要となってきます。

用土を選ぶ

胡蝶蘭の植え込み資材は水苔かバークを選びます。
水苔は保水力に優れており、よく流通しているため、日本では胡蝶蘭の植え込み資材に用いられることが多いです。
水やりの回数を減らせる反面、植え込み資材が水苔だと知らずに毎日水やりをしてしまうと、根腐れを起こす原因になってしまいます。
バークは松の樹皮などを細かく砕いたものです。
本来は植え込み資材としてではなく、植物が植えられた土の表面を覆うために使われます。
胡蝶蘭はもともと樹木などに根を張って育つ植物なので、バークは胡蝶蘭の植え込み資材として適しています。
バークは水苔の保水力がないため、水やりを毎日してしまったとしても根腐れを起こしにくいです。
一方で、ナメクジなどの害虫が発生しやすいため注意が必要です。

ハサミを消毒する

花芽を切るためにハサミを使いますが、何も処理せずに使ってしまうと、胡蝶蘭に菌やウイルスが伝染してしまうかもしれません。
そのため、ハサミはしっかり消毒処理をしておきましょう。
消毒の方法ですが、難しくはありません。
ハサミの刃先をライターなどの炎であぶってください。
熱することによって、病気の原因となる菌やウイルスをやっつけることができます。
炎であぶる他に、園芸用の消毒液を用いた消毒方法もあります。
また、使い古したハサミではなく、新しいハサミを用意したほうがいいでしょう。
ハサミの消毒や植え替え作業を行う際は、自分の手も清潔な状態にしておきましょう。
こうしたひと手間を加えることで、胡蝶蘭が病気にかかりやすくなるのを防げます。

新しい鉢の選び方

新しい鉢の選び方ですが、胡蝶蘭の大きさに合わせて小さめのもの(4号鉢から5号鉢)を選んでください。
また、用いる植え込み資材によって選ぶ鉢の材質が異なります。
水苔の場合は素焼き鉢を選びましょう。
水苔は保水力に優れていますが、胡蝶蘭にとって余分な水分が発生することもあります。
素焼き鉢の場合、余分な水分が鉢の外壁へと伝って蒸発していくため、水苔を用いる場合は素焼き鉢が推奨されています。
バークの場合はポリポット鉢を選びます。
ポリポット鉢は保湿性が高いので、保水力の少ないバークとの相性は抜群です。
胡蝶蘭の根は、触れた材質によって性質を変えていきます。
そのため、水苔で育った胡蝶蘭は水苔に、バークで育った胡蝶蘭はバークに植え替えましょう。
もしも植え込み資材を変えてしまうと、枯れやすくなってしまいます。

植え替えの手順・やり方

準備が整ったら、胡蝶蘭を植え替えていきましょう。
まずは、簡単にですが手順を確認しましょう。
植え替えが必要な株を、鉢から慎重に取り出します。
このとき、根を傷つけないように注意しましょう。
次に、根についている植え込み資材をすべて取り除きます。
取り除いた古い植え込み資材はすべて捨てましょう。
植え込み資材を取り除いたあとは、古くなった根や腐っている根を付け根から切り落として、健康な根だけを残すようにします。
また、黄色くなってしまった葉があれば、同じく取り除きます。
新しい植え込み資材を湿らせておき、根に押し当てるようにして覆っていきます。
鉢の底まで押し込まないように注意しながら、植え込み資材ごと新しい鉢に入れます。
株を持ち上げても鉢が外れないように、植え込み資材がしっかりと密着していれば、作業は完了です。
では、それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。

花芽を切る

最初に、花芽を切って取り除きます。
このとき、花芽と根を間違えて切ってしまわないように注意しましょう。
見分け方ですが、葉の間から上向きに生えて節目が見えているのが花芽です。
ちなみに、花芽が伸びると呼び方が変わり、花茎と呼ばれるようになります。
根は主に葉の側面から生えて、根の先に根冠と呼ばれるキャップのようなものが存在するのが特徴です。
また、根は花芽よりも太いです。
根と花芽をしっかり見分けたら、切る位置を決め、スパッと思い切って切断しましょう。
こうすることで、切った断面の周辺にある組織が傷みにくいです。
切る位置の決め方ですが、胡蝶蘭を長く楽しみたい場合は、今あるすべての花芽を根元から切りましょう。

傷んでいる根を取り除く

張りついてしまっている根をはがしやすくするために、植え替えの前にはしっかりと水やりをして、根に水分を吸収させておきます。
慎重に株を取り出したら、古い植え込み資材をすべて取り除きましょう。
植え込み資材は根に絡みついてしまっていることもあるので、優しくほぐして取り除きましょう。
傷んでしまっている根も取り除くようにします。
このとき、ハサミを使って切り落とすのですが、使うたびに消毒するようにしましょう。
黄色くなってしまった葉は手でつまむだけで簡単に取り除けます。
植え込み資材や傷んだ根を取り除き終えたら、いよいよ植え替え作業に入ります。
用いる植え込み資材によって方法が異なるので、よく確認してから作業に進んでください。

水苔に植え替える方法

水苔に植え替える場合は、あらかじめ水苔にたっぷりと水分を含ませて準備しておきます。
水分をしっかりと含んでいるのを確認したら、健康な根に巻きつけていきます。
このとき、用意した鉢よりも幅が少しだけ大きくなるように、たくさん巻きつけるようにしましょう。
程よい大きさになったら、両手で鉢に押し込みます。
鉢の底までいっぱいに詰めないように注意してください。
水苔が鉢の側面にしっかりと接触するようにして、持ち上げても株が鉢から外れない程度になれば植え替え作業は完了です。
このとき、水苔は鉢の上部から2~3cmくらいのところまで入っている状態がベストです。
植え替え後の育て方については次の項目で詳しくご紹介します。

バークに植え替える方法

続いて、バークを用いた植え替え作業について説明していきます。
バークを用いる場合は、固形肥料も一緒に用意しておきましょう。
まず、バークをひとつかみして、ポリポット鉢に入れます。
次に、バークの上に固形肥料を入れます。
続いて、固形肥料の上にバークをひとつかみして入れます。
このとき、固形肥料が胡蝶蘭の根に直接触れることのないように注意します。
直接触れてしまうと、根を傷める原因になるからです。
バーク、固形肥料、バーク、と順番にポリポット鉢に入れたら、胡蝶蘭の株を中心に入れます。
そして、株の周りにバークを敷き詰めてください。
十分に敷き詰めたら、ポリポット鉢を鉢に入れて、倒れないことが確認できれば植え替え作業は完了です。

胡蝶蘭の植え替え後の育て方

植え替えが終わってからの育て方ですが、植え替え後の胡蝶蘭は非常に弱っています。
慎重に作業していたとしても、根を傷めてしまっている場合が多いからです。
弱った胡蝶蘭にとって最適な環境を整えてあげることで、元気を取り戻して、再び美しい花を咲かせてくれます。
そのため、植え替え後は特に注意してお世話をしてあげましょう。
植え替え後の育て方について、水やりのタイミング、肥料をあげるタイミング、そして置き場所や適切な環境について説明していきます。
このとき、特に注意したいのが水やりのタイミングです。
植え替えに用いた植え込み資材によって、タイミングが異なります。
また、水を必要以上にあげてしまうと根腐れを起こす原因になるので、気をつけましょう。

水やり

用いた植え込み資材が水苔の場合は、植え替えて15~20日が経過するまでは水をあげないようにしてください。
その後は10日に一度、コップ一杯の水(約200ml)を与えます。
もし受け皿に水が流れてしまっても大丈夫です。
受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしましょう。
用いた植え込み資材がバークの場合は、植え替えて7日間は水をあげないようにしてください。
その後は、同じくコップ一杯程度の水をあげ、受け皿に流れてしまった水は捨てるようにしましょう。
基本的には、植え込み資材の乾燥状況を見て水をあげるようにするのが間違いないです。
植え替え後の水やりに注意し、成長してきたら植え込み資材の乾燥状況に合わせて水やりをしましょう。

肥料

肥料ですが、植え替え後の1ヶ月間はあげなくて大丈夫です。
1ヶ月が過ぎたら、液体肥料をあげるようにしてください。
このとき、水は一緒にあげなくて大丈夫です。
次の水やりのタイミングであげてください。
液体肥料の選び方ですが、洋蘭用のものを選んで使ってください。
ラベルに書かれた使用方法を守って、適切な量の肥料を与えるようにしましょう。
新しい根が伸びてきたあとは、肥料を追加で与えるかどうかを検討します。
追加で肥料を与える場合は、化成肥料の置き肥をするか、9月いっぱいまでは1週間に1回、水やりの代わりに薄めた液体肥料をあげましょう。
10月以降は胡蝶蘭の生育が止まるので、肥料をあげないようにしてください。
再び春を迎えたら、花を咲かせるための手助けとして肥料をあげるようにしましょう。

置き場所・適切な環境

植え替え後は、直射日光を避けて、明るく風通しのよい場所に置いてあげましょう。
室内に置く場合は、光が直接当たらないように、レースのカーテン越しの窓辺に置くようにします。
直射日光に当たると、葉焼けを起こしてしまうからです。
もしくは、キッチンなどの水回りに置いてもよいでしょう。
ある程度の湿度がある場所は、胡蝶蘭が生まれ育った環境に似ているからです。
胡蝶蘭は暑さに強く、寒さに弱い植物です。
屋外に置く場合は、寒さに気をつけるようにしましょう。
冬は室内に置いて15℃以上を保つようにします。
夏は屋外に置いても構いませんが、35℃以上になったら注意してあげましょう。
また、屋外に置く場合は通気性や害虫への注意が必要です。
高さが50cmくらいの台の上に乗せてあげるとよいでしょう。